社会

「性暴力許さない」「人ごとではない」フラワーデモ 名古屋、岐阜でも共感広がる

花やメッセージボードを持ってフラワーデモに参加する人たち=名古屋市中区で2019年8月11日午後7時7分、兵藤公治撮影

 今年3月に性暴力事件の無罪判決が相次いだことを受け、毎月11日に「フラワーデモ」が各地で開催されている。判決に抗議し、性暴力の実態を伝えながら、花を手に被害者に寄り添う気持ちを示す。4月に東京で始まったデモは、8月は全国18カ所で開催され、東海地方にも広がっている。

 8月11日夜、名古屋市中区の広場に男女約60人が集まった。ヒマワリやガーベラ、アジサイなどの花を手にしたり、花柄の洋服を着ていたり。路上ライブの音楽が流れる中、参加者は体を揺らしたりしながら「me too with you」「性暴力を許さない」などと書かれたボードを30分、掲げた。

 名古屋地裁岡崎支部で3月、実の娘への準強制性交等罪に問われた男が無罪となるなど、性暴力事件での無罪判決が相次いだ。6月から名古屋市でフラワーデモを始めたカウンセラーの具(ぐ)ゆりさんは「『おかしいことをそのままにしておけない』『人ごとではない』と共感を呼んでいる。誰かの声が後押しになり、次の声へとつながっている」と話す。

 デモでスピーチを呼び掛けると多くの手が挙がる。ある女性はデモの参加をきっかけに、一人で抱えてきた性暴力被害を専門窓口に相談することができた。女性は翌月のデモで「ケアを受けながら、自分と向き合うことができた」とスピーチしたという。

 7月からJR岐阜駅前でも開かれている。主催する病院職員の広瀬政美さん(31)は名古屋のデモに参加したかったが、1歳の長女がいて難しかった。「誰かが岐阜で始めるのを待つより、自分でやった方が早い」と行動に移した。

 路上ですれ違いざまに体を触られたり、新幹線の中で卑わいなことを言われたりした経験があるが、その時「やめて」とは言えなかった。「怖いし、『おとなしくやり過ごすことが一番安全』と思っていた。でも嫌な気持ちはずっと心に残っているんですよね」

 デモでは、同じような経験を語る女性や、「男の『性の意識』を変えたい」と話す男性もいる。娘が大きくなった時、不安を感じることなく1人で外出できる社会にしたい――。そんな願いも活動に込める。【加藤沙波】


(毎日新聞)








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