体に優しい外食を 那覇市の健康づくり協力店


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外食アドバイザーと打ち合わせを重ねて完成したヘルシーメニューを客に提供するカフェ=18日、那覇市若狭のCafeCompany

 揚げ物づくしのボリューム満点弁当は、沖縄県民になじみ深い。食べ応えはあるが、1食で約1500キロカロリーと驚くほど高カロリーだ。総務省の家計調査によると、沖縄は「油」と「弁当」の購入金額がそれぞれ全国1位。たとえ「買い弁」や外食でも、賢く選んでバランスのいい食事を心掛けたい。

 那覇市は、食の環境を整えて市民の肥満対策につなげようと、2006年度から市が定めた基準を満たした健康食メニューを提供する飲食店を「健康づくり協力店」として認証している。
 メニューに関しては、1食当たりで(1)総エネルギーが750キロカロリー以下(2)脂質量が15グラム以下(3)塩分が3.0グラム以下(4)野菜量が1日の摂取量の目標値(350グラム)の3分の1に当たる120グラム以上―などが認証基準。協力店を申請した店舗には、市が栄養士を「外食アドバイザー」として派遣し、基準を満たせるよう3カ月かけて栄養価成分の計算やバランスの取れたメニューの組み合わせを助言する。
 店舗側には「受動喫煙防止対策を取っている」ことも条件に求めている。市健康増進課の比嘉香澄さんは「市民に食を選ぶ力をつけてもらうためにも、市が食の環境整備をすることも重要と考えた」と話す。
 申請から認証決定までに半年~1年かかるが、認証店舗からは「カロリーや塩分を制限することでお弁当の注文数が増えた」「従業員の食に関する意識が高まった」と評判は高い。
 15年度の認証を目指す那覇市若狭のCafeCompanyは18日、アドバイザーの並里ななえさんと打ち合わせを重ねて作ったメバチマグロのチーズサンドフライをランチで提供した。紫キャベツのスープや彩り野菜サラダ、果物がセットになって628キロカロリー。食塩相当量は1.8グラムとかなりの減塩だが、野菜のだしとうま味が効いた味付けで、十分な満足感を得られた。
 店主の斉木みや子さんは「カロリー計算をしたことがなく、どんなバランスがベストかも分からなかった。具体的な助言を得られて心強い」と笑顔を見せた。
 毎日食べるものだからこそ、おいしくて体にいいものを選ぶことが大切。油や塩分、野菜の量は? 外食やお弁当を取る時に違いを比べてみよう。
文・新垣梨沙
写真・又吉康秀

<メモ>
 3月末時点で、那覇市内の弁当店やカフェ、食堂、居酒屋など64店舗が協力店認証を受けた。いずれの店も栄養成分を表示し、ご飯の量を選べたり、ソースを別添えにしたりと健康サービスを行っている。市は認証店舗の情報や認証メニューを紹介する「ヘルシーガイドBOOK」を毎夏発行し、市や支所、保健所の各窓口で市民向けに無料配布している。協力店申請やBOOKの問い合わせは、那覇市保健所健康増進課(電話)098(853)7961。