知事「県民の心伝えた」 国民の論議訴える


この記事を書いた人 志良堂 仁

 代執行訴訟の第1回口頭弁論を終えた翁長雄志知事は2日午後6時から県庁で記者団の取材に応じた。基地負担の歴史などを訴えた知事の意見陳述に対し、国側が「政治的意見を議論する場ではない」などと批判したことについて「政治的なものというよりも沖縄県民の心情、心を伝えた。思いは伝えられた」と述べ、沖縄の歴史や基地負担の現状を捉えた司法の判断に向け、裁判所や国民に対し、沖縄の実情を率直に語ったと説明した。

 裁判で問われていることについては、法律論の他に「日本の地方自治、民主主義の問題が問われているのではないかと感じる」と論点を挙げた。
 原発問題にも触れ、一地方に過重な負担が背負わされようとする時に、地方自治の在り方が問われることになるとの考えを示し「沖縄の問題を通じて日本全体で物事を考えてもらいたい。国民の皆さんにもこの裁判に注目してもらいたい」と全国民に向けて訴えた。
 国交相による執行停止決定を取り消すよう求め、開会中の県議会12月定例会への議案提出を予定している抗告訴訟の提起については「気持ちは固まっている」と述べた。