天国帰りの猫 歌って踊って木琴たたく


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
猫会議の仲間を木琴の上に並べてポーズを決めるむぎ(猫)ちゃん=4月16日、西原町のブックカフェ・ブッキッシュ

 謎の巨大猫むぎちゃんのお出ましだ―。歌って、踊って、木琴をたたく、小粋なむぎ(猫)ちゃんは、知る人ぞ知る、注目度急上昇中のアーティストです。うるま市在住「天国帰りのネコ」むぎちゃんが4月、西原町のブックカフェ・ブッキッシュに登場し、熱いパフォーマンスで観客を喜ばせました。独特の世界観に包まれたむぎちゃんの歌は聞く人をクスッと笑わせながらも、心に響くメッセージが込められています。

 「黒い鳥飛んでいけー」と、手製の鳥を羽ばたかせながら始まったライブは、むぎちゃんの一挙手一頭足にファンはくぎ付けです。「猫会議」では、八百屋さんのやっちゃん、ドラッグストアのドラちゃん、豆腐屋のマメちゃんと、次々、ぬいぐるみを木琴の上に登場させ、人形劇が始まりました。「三丁目のむぎちゃんは木琴たたけるよ」と歌うと超人的な木琴演奏も披露し、大盛り上がりです。

 曲の合間はほんわかしたトークで和ませて、エイトビートのリズムに乗せた「AとBと」は世の中の答えが一つではないというメッセージを込めて歌います。祭りばやしに阿波踊りのようなダンスの「アガってく音頭」でライブは最高潮に達しました。

 福岡県から駆け付けた中学1年の津田なるみさん(12)と母親のあい子さん(44)は「トークが面白くて、かわいくて、最高です」と喜びました。多くの人を楽しませる、むぎちゃんのこれからの活躍に期待が膨らみます。あっちょ☆。

文・関戸塩
写真・屋嘉部長将

インタビューに答えるカイヌシの米須雄作さん

◆飼い猫の死、乗り越えて カイヌシ・米須さん

 カイヌシの米須雄作さん(37)に聞きました。

 ―むぎ(猫)ちゃんとの出会いは。
 「東京の大学に行っていたころ、ホームシックになっていた時期に拾った猫です。ずっと一緒にいたので死んだときは悲しかったです」

 ―その猫が帰ってきた。
 「手作りの新しい体を用意したら帰ってきました」

 ―むぎちゃんの魅力は。
 「せっかく生き返ったのだから、みんなを楽しませようとしているところですね」

 ―お薦めの曲は。
 「『アガってく音頭』は歌っている本人も一番楽しんでいます。ミュージックビデオもあるので、楽しみながら環境問題も考えてほしいです」

 ―今後、目指すのは。
 「ライブやテレビなど、全国に向けて活動を広げていきたいですね」

むぎ(猫)ちゃんのパフォーマンスに大喜びする観客たち=4月16日、西原町のブックカフェ・ブッキッシュ

◆むぎ(猫)
 1997年、東京都生まれ。2002年に沖縄に移住し、09年に永眠。5年間の天国暮らしの後、14年3月に新しい体で舞い戻った「天国帰りのネコ」。「むぎちゃんショー」を各地で開催。決めぜりふは「あっちょ☆」。好物は肉まんとかるかん(まんじゅう)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 むぎ(猫)ちゃんに会いたくなった人は7月1日に那覇市内でライブもあるよ。その他の出演予定も、むぎ(猫)ホームページで確認してください。アドレスはhttp://mugithecat.wix.com/mugithecat