「県政混乱は重大」 安慶田副知事が辞職理由説明


この記事を書いた人 志良堂 仁
辞意を伝えたことを明らかにする安慶田光男副知事=23日午後、県庁

 教員採用試験を巡る安慶田光男副知事の口利き疑惑で、翁長雄志知事は安慶田氏の辞意の意向を受け、23日付で承認した。安慶田氏は同日午後、県庁で会見し「報道されている事実はないが、一連の報道で多くの県民に不安を与え、県政を混乱させたことは重大と考えた。21日に弁護士を通じて知事に辞意を伝えた」と辞職に至った経緯を説明した。

 安慶田氏の会見に先立ち行われた翁長知事の会見で、知事は「胸をかきむしられる思いだが、本人の意思は固く承認した」と説明した。一連の事態については「大きな混乱と不安を抱かせる結果になり、申し訳なくおわび申し上げる」と県民に陳謝した。後任人事は「今は考えていない」と述べるにとどめた。
 翁長知事らによると、21日夕に安慶田氏の弁護士から翁長知事に辞意が伝えられ、22日午後に翁長知事が安慶田氏と直接会って確認した。
 22日投開票の宮古島市長選の結果が影響したのかとの問いについては翁長知事、安慶田氏共に「全くない」と否定した。
 安慶田氏は20日の会見で「口利きの事実はない」と一連の疑惑を否定した上で「進退の問題にはならないものと考えている」と続投の意向を示していた。それが一転して辞職となったことについて、新たな事実があったのかとの問いに翁長知事は「新しい情報があったというわけではない」と話した。
 関係者は琉球新報の取材に対して、安慶田氏が2015年の教員採用試験の1次試験の後、3~4人分の氏名と受験番号が書かれた紙を教育庁関係者に渡し、合格させるよう口利きがあったことを証言している。このほか、県教育庁の幹部人事で複数年、働き掛けをしたとされる人事介入疑惑が取り沙汰されている。
 県教育庁は18~19日に、教員採用試験を巡る安慶田氏の口利き疑惑や教育庁幹部人事への介入について、諸見里明前教育長ら元幹部らから事情を聞き、疑惑はないと結論付けた。【琉球新報電子版】