(29)昼間物 万な物/語源豊かな“おやつ”

 語源を調べるといろいろなことが分かり面白い。
 日本語の「打ち合わせ」という言葉だが、これは「事前に相談する」という意味で現在使われることが多いが、もともとは、「楽器を打って鳴らして調子を合わせる」という雅楽で使われた言葉だという。
 また、「引き出物」とは、祝いの席で主人が来客へ贈る品物のことをいうが、古くは、庭から引き出した「馬」が引き出物だった。
 実は、語源に興味を持ちあれこれ調べ始めたのは、うちなぁぐちで「おやつ」をどう言うか? という質問を受けた事からはじまった。
 うちなぁぐちの答えをさがす前に、日本語の「おやつ」とはどういう意味か調べてみた。すると、面白いことが分かった。
 実はこの「おやつ」、本来は「御八つ」と書き、読んで字のごとく「八つ」時に食べる間食のことを指す。
 では、この「八つ」は何時か調べると「午前2時、および午後2時」のこととある。
 いくらなんでも「午前2時」に間食をするというのは考えられないので、「午後2時」に食べる間食を「御八つ」というのだろう。
 ここまで調べて思わずひざを打った。同じくうちなぁぐちには午後3時ごろ食べる間食に「昼間物(ふぃるまむん)」と言うものがある。
 これは労働をする者が朝、昼、夕飯の三食では足りないので、午後3時ごろに軽い食事を取ることを指す。
 同じく3時の軽食を農村では「あしー小(ぐゎー)」とも言うようだ。
 日本語の「おやつ」は午後2時ごろのみ食べるという限定された意味はなくなり、現在では生活様式もかわったので24時間おやつを食べるようになった。
 それならば、うちなぁぐちの「昼間物」も同じく24時間、「おやつ」という意味合いで使えるかもしれない。
 ほかに、ただ単純に間食ということを「まどぅぬ物(むん)」ともいう。
 また「万(ゆるじ)な物(むん)」という、間食に食べる菓子や果物という意味の言葉もある。この「万な物」が実は、現代的なおやつという感覚に一番に近い言葉かもしれない。
(ラジオ沖縄「民謡の花束『光龍ぬピリンパラン日曜日』」パーソナリティー)