第32回東恩納寛惇賞(主催・琉球新報社、後援・第一書房=東京都)の贈呈式が27日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで行われた。沖縄のグスク研究の基礎を築き、研究を大きく前進させた元沖縄考古学会会長の嵩元政秀氏(81)=那覇市=に、琉球新報社の富田詢一社長から賞状とトロフィー、賞金、第一書房から賞金が贈られた。
嵩元氏は1969年にグスクの起源をめぐる論文を発表、70年代の、いわゆる「グスク論争」のきっかけをつくった。グスク研究の発展に大きく貢献しただけでなく、貴重な文化財の保存活動に奔走、沖縄考古学会会長を長年務め、若手研究者の育成にも尽力した。
嵩元氏は「受賞が報じられると、電話や手紙などでたくさんの祝辞を受けた」などと喜びを語った。富田社長は「後進育成や、沖縄の歴史遺産、文化財の保存にも尽力された」とたたえた。