別の企業などで業務を担う副業をする人の割合について、総務省が公表した2022年就業構造基本調査の内容で分析すると、本業の所得の中間層に比べて所得の高い層と低い層で大きくなっていたことが18日、分かった。
副業に関する調査を手がけた独立行政法人労働政策研究・研修機構(東京)の岩田敏英氏は「生活苦でアルバイトを掛け持ちせざるを得ない人もいる」と指摘。高度で専門的な資格を有する職業である士業の人が知見を生かし、副業に取り組む事例も多いという。
全雇用者のうち副業をしている人は4・61%。
高所得層を見ると、本業1千万円以上での副業実施は6・25%だった。1500万円以上に限ると、さらに割合が増す。一方、本業299万円以下では6・25%となり、低くなるほど副業をする人が多い。
中間に当たる本業所得300万~999万円の人たちを100万円ごとに見ると、各層で2~4%台にとどまった。
調査によると、副業をしていない人の38・4%が、本業の勤め先から副業を禁止されていると回答。正社員の方が非正社員よりも禁止されているとの答えが多い。
本業の所得が300万~999万円の層には、企業の正社員として働く人が多い。本業の勤め先の禁止規定が、副業のやりにくさにつながった可能性がある。副業を希望しない理由として「本業が忙しくて時間にゆとりがない」との回答も多かった。
副業 新たな経験や人脈を得たり収入を増やしたりするため、本業以外の仕事をすること。政府はガイドラインを作り、副業を促す。新型コロナウイルス禍を機にテレワークが増えて時間を確保しやすくなった点や、業績悪化で収入減となった人が相次いだことから関心が高まった。
有料
高・低所得 副業割合高く 「知見生かす」「生活苦」二分 政府調査分析 中間層少なく

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琉球新報朝刊
