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水中プラごみ 自動回収 製品分析の前処理 効率化 島津製作所が発売


水中プラごみ 自動回収 製品分析の前処理 効率化 島津製作所が発売 島津製作所が発売した、マイクロプラスチックを自動で回収する装置「MAP―100」=8月、京都市
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 島津製作所は、海や川の水から微小なプラスチックごみ「マイクロプラスチック」を自動で回収する装置を発売した。手作業で数日間かかっていたプロセスを完全自動化し、品質のばらつきを減らす。マイクロプラが元々どういった製品だったかを調べる分析の前処理を効率化し、環境問題の改善につなげる。
 分析には、採取した海水などからマイクロプラと思われる粒子や繊維を取り出す前処理が必要だ。新製品「MAP―100」は、試料を3日間薬剤に浸すといった工程を自動化し、草木などの有機物を溶かしたり、砂や粘土を取り除いたりする。
 所要時間は短縮できないが、研究員の負担軽減につながるという。希望販売価格は220万円。主に大学など研究機関での需要を見込む。
 マイクロプラは海洋の生態系への悪影響が懸念されており、調査の共通化に向けた国際議論が進んでいる。島津製作所の担当者は「前処理の自動化を実現した製品は世界初。国際標準化を狙いたい」と話した。
島津製作所が発売した、マイクロプラスチックを自動回収する「MAP―100」=8月、京都市