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沖縄のホテル客室単価、全タイプで上昇 「リゾート」は2万5000円超で最高値 23年度公庫調査


沖縄のホテル客室単価、全タイプで上昇 「リゾート」は2万5000円超で最高値 23年度公庫調査 イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 当間 詩朗

 沖縄振興開発金融公庫は24日、2023年度の県内主要ホテル稼働状況を発表した。

 客室単価はリゾートが過去10年で最高の2万5499円(前年度比7・1%増)で、前年に続いてコロナ禍前の19年度を上回った。稼働率はシティ(那覇市内)、リゾート、宿泊特化型いずれも前年度に比べ上昇した。入域観光客数の増加に伴い、同様に3年連続で増えた。

 客室稼働率はシティが前年度比7・2ポイント増の61・3%、リゾートが同5・4ポイント増の63・9%、宿泊特化型が同5・2ポイント増の68・6%でいずれも前年度を上回った。一方で、コロナ前の19年度比でみると、客室数増加の影響などにより、全タイプで約10ポイント下回った。

 単価はシティが同13・9%増の1万3383円、宿泊特化型が同17・1%増の8655円だった。宿泊特化型は19年度並みの水準で、シティも回復基調にある。

 タイプ別の1ホテル当たりの平均売上高はシティが前年度比27・8%増の14億300万円、リゾートが同15・1%増の24億8800万円、宿泊特化型が同26・2%増の4億500万円。全タイプで前年度を上回ったが、いずれも19年度の水準には達しなかった。

 沖縄公庫調査部の國吉穂乃香主任は「コロナ禍前のように高稼働が見込めないとの声があり、収益確保のため客室単価を引き上げる動きがみられた」と指摘。県内ホテルの取り組みとして、ハード面でリノベーションによる客室の快適性の向上、連泊などの宿泊プラン見直し、独自のアクティビティの提供などがあったと解説した。

 23年の宿泊施設数は3914軒、客室数が6万3497室、収容人員が18万4732人でいずれも前年から増え、22年連続で過去最高となった。コロナ禍前から建設計画が進むホテルは直近5年で約1・2倍の約9500室増となっている。需要増を見込み、本島北部や那覇市内、宮古島市内で新規開業や大型リゾート開発などが続く中、県内ホテル業界を取り巻く人手不足の状況は深刻化している。

 ヒアリングでは新規開業の増加で同業他社への転職により「現員の維持も難しい」などの意見が寄せられた。 

(当間詩朗)