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【地図あり】沖縄MICE、5候補地が要件不足


【地図あり】沖縄MICE、5候補地が要件不足 沖縄空撮(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 最大収容2万人の大型MICE(企業の報奨旅行や国際会議など)施設建設地を選定するため、県が作成した評価項目(6項目)に対する5自治体の回答や県の検討作業を踏まえ、本紙が13日までに独自で評価内容をまとめた。県が提示した要件を全て満たす候補地はないことが分かった。

 用地面積の不足や、県が運用開始を目指す2020年までの整備が間に合わない、航空機の騒音、宿泊施設が不十分-など、各自治体が何らかの課題を抱えていることが浮き彫りになった。県は7月末までに建設用地を選定するとしているが、各候補地に提示した要件のうち、どの項目を最優先するかが決定の鍵を握りそうだ。

 評価項目は(1)17年までの工事着工と20年の運用開始を含めた「整備可能時期」(2)施設用地として10~15ヘクタールを求める「用地の広さ・将来的な拡張性」(3)空港から30分圏域内が目安の「アクセス」(4)宿泊や商業機能の集積や将来計画「MICEエリアとしての成立可能性」(5)用地の建ぺい率や施設配置の制限有無を評価する「用地特性による施設整備への影響」(6)「地元自治体の協力体制」。

 那覇市は日米共同使用が実現することを前提に、那覇軍港の一部を施設用地として提案する。用地の広さは51・3ヘクタールで、空港から徒歩で移動可能となる。市内のホテルには約2万9千人が収容可能であり、大型クルーズ船専用バースとの連携も可能-とPRする。

 浦添市は那覇空港からのアクセスの良さやキャンプ・キンザー跡地利用と連動した将来的な可能性の大きさを打ち出す。だが、候補地として提示する西海岸開発地区の埋め立て開始が早くても17年のため、20年の運用開始は困難視されている。

 宜野湾市は沖縄コンベンションセンターを軸に既存施設の集積で優位性を有するが、候補地とする宜野湾海浜公園は、広場や公園設備を備えているため、代替用地の確保が必要となっている。

 豊見城市は空港に近接した豊崎の美らSUNビーチ近くに15ヘクタールの用地を確保。アウトレットモール「あしびなー」などの商業施設が立地する一方、那覇空港を発着する航空機の騒音や建物の建築規制といった施設整備の影響が指摘されている。

 与那原町と西原町が誘致するマリンタウン地区は、唯一本島東海岸に位置する。宿泊施設がないことや空港からのアクセスが課題として指摘されるが、ホテル誘致や南風原与那原バイパスの開通予定などMICE運用開始までに克服可能-と説明する。

(呉俐君、与那嶺松一郎)