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北の大地で「写真甲子園」 真和志高の3人「個性生かし楽しむ」 30日から本選


北の大地で「写真甲子園」 真和志高の3人「個性生かし楽しむ」 30日から本選 北海道で30日に開幕する写真甲子園本戦に出場する真和志高校の(左から)村山碧さん、松長洋汰朗さん、エスピノーサ・アンジェラ・愛梨さん=17日、同校
この記事を書いた人 Avatar photo 西田 悠

 北海道を舞台に、写真を愛好する全国の高校生が撮影技術を競い合う全国高等学校写真選手権大会「写真甲子園」が30日から始まる。31回目となる今大会には過去最多の604校が応募し、九州・沖縄ブロックを勝ち抜いた県立真和志高校が6年ぶり12回目の本戦選出となった。真和志の優勝回数は、神島(和歌山)と並ぶ最多の3回。全国に名の知れた“古豪”は2007年以来の優勝を目指す。本戦に向け、撮影技術に磨きをかける真和志の3選手が意気込みを語った。

 初戦と全国11ブロックでの審査を経て、本戦は真和志を含む18校で競う。真和志は、インターメディア部3年の村山碧さん(18)、松長洋汰朗さん(17)と2年のエスピノーサ・アンジェラ・愛梨さん(17)。

 村山さんは「過去の一瞬を捉え、見る人に自分の思いを伝えられる」と写真の魅力を語る。県勢は、これまでに優勝8回、準優勝7回と県外勢を圧倒する実力を見せてきた。「出場できなかった学校の分も頑張る」と気合いを見せつつ、「全員が個性を生かして楽しみたい」と大会を心待ちにしている。

 初戦審査では8枚1組の組写真を提出した。春先に撮影場所を探していたところ、南城市奥武島の浜辺で遊ぶ子どもたちに出会った。4~5月に奥武島へ通い、自然と共存するように浜辺で遊ぶ子どもたちにレンズを向け続けた。

8枚組みのうち3枚(写真甲子園実行委提供)

 松長さんは「一緒に遊ぶような感覚で、相手の心の『壁』の内側に入り込んだ」と被写体の表情を引き出すまでを明かした。

 その言葉にうなずくのはエスピノーサさん。中学3年の時に手にした父親の一眼レフカメラで、弟を撮った。その1枚目の笑顔はとてもかわいらしく、相手の心までも映し出せるカメラの魅力に引き込まれた。「(被写体となる)北海道の人と仲良くなって生活に迫り、家族にしか見せないような思い切りの笑顔を撮りたい」と描く。

 2006年大会で優勝した真和志のメンバーの1人、北上奈生子さん(34)から指導を受けながら、3人は先輩たちの作品などの分析も重ねてきた。持ち前の陽気さと周囲の支えを強みに、北の大地に飛び込む。

 (西田悠)