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「救助デマ」で逮捕 モバプリの知っ得[285]


「救助デマ」で逮捕 モバプリの知っ得[285] イラスト 小谷茶(コタニティー)
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今年1月1日、石川県能登地方で大地震が発生しました。この災害の中で、埼玉県の25歳の男性が被災者のふりをして、X(旧Twitter)に虚偽の救助要請を投稿し、警察の捜索活動を妨害したとして逮捕されました。男性は「注目を集めたかった」と容疑を認めています。

Xでは、閲覧数に応じて収益を得られる仕組みがあり、いわゆる「インプレゾンビ」【※1】と呼ばれる投稿者が増えています。これが偽情報拡散の一因となっています。本来、X側は、偽情報や誤った情報の流通が減るように努力をする必要がありますが、収益化などの仕組みを作ったため、逆に偽情報が投稿されやすくなっています。

この偽情報により、警察や消防が実際に被災地に出動するケースが複数発生しました。例えば、輪島市のある家には10人の警察官が救助に行きましたが、実際に被害はありませんでした。同様の事件は過去にも起きています。2016年の熊本地震では、20歳の男性が「動物園からライオンが逃げた」と当時のTwitterに投稿し、2万回以上リツイートされました。この偽情報で動物園には問い合わせが殺到し、男性は逮捕されました。

災害時には「あいまいさ×重要さ」の方程式で偽情報が広がりやすくなります。ネットは、正しい情報も誤った情報も一緒くたに渦巻く「情報の海」です。飛び交う情報を冷静に判断し、信頼できる公的機関や新聞、テレビ、ラジオからの情報なども得て、反射的に飛びつかないことが大切です。

~ 言葉の解説 ~

※1 インプレゾンビ … Xで閲覧数を増やすことだけを目的に投稿を繰り返すアカウントのことです。閲覧数が増えると収益が得られる仕組みを悪用して、偽情報などを大量に投稿します。これらの投稿によって、本当に必要な情報が埋もれたり、誤った情報が拡散されたりして、災害時には大きな問題を引き起こす恐れがあります。

モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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