琉球大学教育学部のスプリー・ティトゥス准教授が実施している美術教育講座の発表会「琉大パッチワーク」がこのほど、西原町の同大で開かれた。琉大を舞台に学生が制作したアート作品を展示し、キャンパス活用のアイデアを提案した。
学生の一人は教育学部裏手のひっそりとした通りにある樹木にしめ縄を巻き、神聖な雰囲気を演出した。別の学生は学内中心部の通りに「ここから先、笑顔」と書いた看板を設置した。
大学にいる生物をパネルにして設置したり、さまざまなデザインを描いたビニール傘を置いて「傘を差して空を見よう」というアートに取り組んだり、構内の緑地に蚊帳を設置してその中でコーヒーを振る舞った学生もいた。
ティトゥス准教授は教育活動の中で、机の前で教科書的な知識を学ぶだけではなく、自然の中や地域に出向いてその環境に触れ、人々と対話しながら学びを深める手法を実践してきた。
琉大パッチワークは8月1日に実施し、学生が自由な発想で考えた芸術作品を大学構内のさまざまな場所に、散発的に展示した。学生の主体性や創造性を大切にしつつ、地域の町歩きをしたり、南城市のグスクや垣花樋川に出向いたりしてアイデアを練った。
展示に取り組んだ濱口達史さん、知念純汰さん、親泊はるのさん、与儀一瑠さん、大田理菜子さん、芝田美結さんは「自分がいいと思う感覚を作品にすることで、みんなと共有できた」「制作はすごく大変だったが、とても楽しかった」などとやりがいを感じた様子だった。
ティトゥス准教授は「学生らがアイデアを出し合うことで、よい作品づくりにつながった。アートを使ったキャンパスづくりのコンペなどを大学でするのもいいと感じた」と話した。
(外間愛也)