石川県で開かれた全日本高校生WASHOKUグランプリで、浦添工業高校調理科3年の長元愛衣(めい)さんと仲吉楓怜(かれん)さんが琉球王朝時代の宮廷料理などを現代風にアレンジした作品で、準グランプリに輝いた。2人の夢は高校卒業後、料理人として働くことで「今回の経験を将来に生かしたい」と意気込んだ。
8月に開催された大会の作品テーマは「だしを使った和食」。全国から書類審査を勝ち上がった6組が決勝大会に出場した。準グランプリを獲得した作品名は「復刻!島の恵の花華御前~香りを漂わせ」。花をモチーフにし、紅芋とハイビスカスを使ったおにぎりや、沖縄の祝いの席で振る舞われていた「花しんすう」など7品で勝負した。
2人は子どもの頃から料理に興味があり、家で食事の準備を手伝うのが好きだったという。高校は調理科がある浦添工業を選んだ。
大会の存在は入学前から知っており、出場したいと考えていた。大会に向けて半年ほど前から品を考え、夏休みもほぼ毎日、学校で練習した。
食材の豚肉と卵は南部農林高校の生徒が育てたものを譲ってもらった。地域の農家などを訪ね、野菜などを分けてもらい調理法も習った。専門店に掛け合い、食器類を無料で借りることができた。2人は「いろんな人の協力があって受賞できた」と感謝した。
受賞について長元さんは「うれしかったが、あと一歩でグランプリだったので悔しさもあった」、仲吉さんは「もっとこうすれば良かった、ああすれば良かったなど反省もあった」とより高みを見据えた。副賞として石川県の料亭で研修を受けられるという。2人は「本場の和食の技術や味を体験したい」「石川県のいろんな所を楽しみたい」と胸を膨らませた。
(外間愛也)