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女性が「いい男」を見つけにくくなった理由


大卒に占める女性の割合が増え、少ない男性を奪い合っている

By Gerard Baker
2019 年 10 月 8 日 16:18 JST 更新プレビュー





――筆者のジェラルド・ベーカーはWSJ前編集局長で、現在はエディター・アット・ラージ

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 筆者の娘たちがまだ幼かったころ、お気に入りの下手な詩があった。フェミニストの兆しがうかがえる詩だ。

 「女の子は大学に行ってもっと賢くなる。男の子は木星に行ってもっとばかになる」。娘たちは筆者に向かってそう繰り返し、近所の若い男性たちに対しては、さらに熱を込めて連呼した。筆者は、後半の文法が間違っているから説得力に欠けると指摘したが、無駄だった(訳注:詩では「もっとばかになる」をmore stupiderとしているが、moreとstupiderは通常、同時に使わない)。女の子は実際、男の子より賢く、その他の点でも大いに優れていた。

 もちろん、筆者はそのことについて異議を唱えたことはない。

 娘たちは今、リベラル教育という、見た目は立派なエスカレーターを優雅に、成果を上げつつ上っているところだ。今にして思えば、あの詩は、米国を含む先進国の多くが人口統計上、大きな格差を抱えているという厳しい真実を言い当てていた。

 学歴における男女間の不均衡は毎年拡大する一方だ。収入や雇用の平等にとっては基本的に良いことなのかもしれない。しかし先の世代にとって社会状況はますます難しいものになっていきそうだ。

 米教育省によると、2018年に学士号を取得して大学を卒業した人のうち、女性の割合は57%を超えた。修士号になるとこの差はさらに広がり、女性が59%、男性は41%だった。

 学歴の不均衡は、女性の大卒者数が男性を初めて上回った1981年から続いており、ほぼ毎年拡大している。教育省の推計によると、2027年には学士号取得者全体に占める女性の割合は約60%に達するという。

男性3人に対して女性4人

 経済的な公正・公平という観点からすると、これは確かに前進と言える。女性が選挙権を獲得してから、男女平等において根本的な変化が起きたことを示す最も確かな証拠かもしれない。教育が生涯の収入獲得能力を実際に左右するのであれば、給与と機会における男女差は徐々に、そしておそらく着実に縮小することが期待できる。

 もちろん、経済的な成果に男女差があるのには他にさまざまな理由があることも承知している。そうした理由の多くはすぐにはなくならないだろう。しかし、職場で高学歴女性が増えたことによる影響は大きいはずだ。

 学歴の男女差について、経済的な影響はこうした展開が予想できるが、社会的影響の一部は検討する価値がある。人生や愛情、男女関係というさらに広い観点から見ると、男女の教育格差の広がりは頭の痛い問題だ。

 ざっと計算すると、20代と30代の学士号取得者の男女比は、男性3人に対して、女性は4人。人間の異性間の恋愛に関するほとんどの研究では、知的能力と達成が重要な魅力であることと、人間は達成の水準が自分とほぼ同じパートナーに引き付けられる傾向にあることが指摘されている。

 しかし女性の数と比べて、相手としてふさわしい男性の数は年々少なくなっている。もちろん大学が全てではないし、多くの女性が、4年間の遊園地生活(パーティーと睡眠の日々を過ごし、講義にはたまに出席)を経験していない理想の相手に出会うだろう。ただ現実には、有意義な関係を求めるのであれば、より多くの女性が大卒ではない男性を選ばざるを得なくなる。

 さらに大きな問題が高学歴の女性の前に立ちはだかっている。女性はパートナー選びに慎重だとされる。男性はうるさいことは言わないが、女性は明らかに男性より洗練されていて、好みがうるさい。デートアプリのデータを見ると、この差がどれほど大きいかが分かる。

デートアプリで裏付けられた現実

 デートアプリ「ヒンジ」のエンジニア、アビブ・ゴールドガイアー氏は最近、男女が送り合う「いいね」のデータについてインタビューを受けた。人を引き付ける魅力を経済的資産として考えれば、男女それそれでどの程度、資産に偏りがあるかを測定することが可能だ。経済学者は経済的不平等の度合いを推定するのに、ジニ係数という指標を使う。ジニ係数は数値が0に近いほど、富はより平等に分配された状態にあり、1に近いほど格差は大きくなる。

 男性のジニ係数は0.542で、格差が大きいことが分かった。つまり、少数の男性が資産としての魅力のほとんどを握っているということだ。女性のジニ係数は0.376にとどまり、男性から見ると、魅力資産ははるかに平等に分配されている。女性が自分の相手としてふさわしいと考える男性は、男性がふさわしいと考える女性よりはるかに少ないという厳しい現実が裏付けられた。

 別の言い方をすれば、女性こそ大学を卒業したら木星に出向いて、それなりのパートナーを見つける必要があるのかもしれない。




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