ベトナム出身のグエン・ティ・バン氏は、2016年設立の画像編集やビデオ編集サービスの会社「Imagtor」の共同設立者の1人だ。障がいが理由で多くの差別や困難に直面してきた。障がい者に対する社会の偏見を無くしたいという思いで現在76人いる社員のうち半数は、障がいがある人材を雇用している。
グエン氏は「障がいを持って生まれた人は『何も達成することができない』と見なされてしまう」と語り、ベトナムの障がい者の多くが自立できていない環境だと指摘する。グエン氏は自立に向けて、デジタル編集技術の研修を受けたことが起業のきっかけとなった。
地域に還元するため、自身が学んだ技術を周りの障がい者と無償で共有した。グエン氏は「安定した収入を持ち、生活水準が上がっていく障がい者を見るとうれしくなる」と笑顔で語る。
グエン氏はITの職業訓練のほか、社内で語学研修や料理教室も開き、障がい者の経済的自立だけでなく生活の自立にも取り組んでいる。