「高校生に無理にキス」「レジ締め作業強要」 ブラックバイト経験者  泣き寝入りの学生少なくなく


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会場で回収された「ブラックバイト」に関する28件のアンケート=15日、西原町の沖縄キリスト教学院大学

 沖縄県内で複数の飲食店を展開していたクライマックスコーヒー(沖縄市)が破産準備に入り、アルバイトの学生らに給与の未払いが起きている問題で、被害を受けた学生2人が15日、西原町の沖縄キリスト教学院大学で会見を開いた。給与未払いが続いている学生らは「お金がなく、とても苦しい」「貯金を切り崩して生活をしている」などと窮状を訴えた。会場には学生らに劣悪な労働条件を強いる「ブラックバイト」の問題に関心を寄せる学生ら約100人も集まり、被害学生の訴えに耳を傾けた。

 会見があった会場には、「ブラックバイト」といわれる劣悪な労働条件の下で働いた経験がある学生らも駆け付けた。会場内ではアンケートが行われ、28件の回答が寄せられた。

 女子大学生(20)は、勤務する那覇市内の居酒屋でシフトを無断で変更されたほか、セクハラ被害にも遭った。「店長に腰を触られたりいやらしい言葉を掛けられたりした。別の社員が同僚のアルバイトの高校生に無理やりキスをして問題になったこともあった」と訴えた。

 米軍基地内の飲食店で働く男子大学生(22)は、上司である社員の対応に違和感を感じたという。男子学生は「アルバイト従業員だけ残していなくなることが頻繁にあった。本来は社員しかできないことになっているレジ締めの作業を強要された」と明かした。

 「ブラックバイト」の問題に取り組む沖縄キリスト教学院大学の玉城直美准教授は「被害に遭いながら泣き寝入りしている学生も少なくない」と危機感を募らせる。「意欲の高い学生がつぶれていく様子を日々見ている。県や企業には若い人材をつぶすのではなく、育てるような経営を心掛けてほしい」と話した。