新聞が沖縄戦にどう向き合ってきたか… 元毎日新聞の藤原健さん解説 「魂の新聞」出版記念トーク  


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「魂の新聞」の出版記念トークイベントで「沖縄戦新聞」の意義などについて話す藤原健さん(右)と聞き手の松元剛琉球新報編集局長=19日午後、那覇市のジュンク堂書店那覇店

 元毎日新聞大阪本社編集局長で本紙客員編集委員の藤原健さんの著書「魂(マブイ)の新聞」の出版記念トークイベントが19日、ジュンク堂書店那覇店で開かれ、約40人が駆け付けた。藤原さんは沖縄の新聞ジャーナリズムが沖縄戦にどう向き合ってきたかなど、自身の考えを述べた。琉球新報社の松元剛編集局長が聞き手を務めた。

 藤原さんは本紙が戦争体験者の証言と多角的な資料を基に、沖縄戦の全体像を再現した企画「沖縄戦新聞」について、「住民史観から見つめ直し、サイパンでの日本軍の敗北から沖縄戦が始まったとみるべきだと提示した」と評価した。

 一部の回を除き、沖縄戦を食い止めることができなかった新聞社と記者の「責任」について書き続けたことに「沖縄戦での反省を踏まえ、倫理観を持った新聞を作りたいと宣言したことも『沖縄戦新聞』の成果だ」と指摘した。那覇市若狭の「戦没新聞人の碑」の碑文について触れ、「『戦争に加担するためのペンは持たないことを誓う』と加えるべきだ」と提案した。