首里城正殿、見る影もなく 禁止区域一部、報道陣に公開


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報道陣に公開された首里城の奉神門。北側の屋根が焼け、骨組みのような木材がむき出しになっている=4日午後、那覇市

 火災で正殿などが焼失した首里城で4日、正殿などに通じる奉神門(ほうしんもん)の正面の区域が報道陣に公開された。鮮やかな朱色が特徴的だった正殿は焼け落ちて見る影もなく、正殿前の中庭(御庭)にはがれきが散乱し、周辺には焦げたにおいが漂っていた。衛藤晟一沖縄北方担当相の現場視察に合わせて、報道陣も立ち入り禁止区域の一部に入ることが認められた。正殿の正面の両脇にある竜をかたどった「大龍柱(だいりゅうちゅう)」は黒くすすけている様子だ。

 2000年の九州・沖縄サミット首脳会合で夕食会場になった北殿は全焼し、屋根瓦も激しく焼損していた。奉神門も北側の屋根が焼け、骨組みのような木材がむき出しになっていた。

 火災から初の連休の最終日となった同日、那覇市の首里城公園は臨時休園が続いたが、守礼門や歓会門、龍潭周辺には多くの人が足を運んだ。国内外からの観光客だけでなく、焼失した現実を確かめようと訪れ、肩を落とす県民も見られた。