社会

希少カメ、密輸やネット販売が横行…中には数十万円で取引きも こどもの国のカメ64匹が不明

インターネットでリュウキュウヤマガメの購入を募るページ(一部画像を処理しています)

 沖縄市の動物園「沖縄こどもの国」で行方が分からなくなっているリュウキュウヤマガメやセマルハコガメは海外で人気が高く、密輸やネット販売が横行している。6日までに実際に海外のインターネットサイトで売買されている事例が確認された。特に国指定天然記念物で絶滅危惧種に指定されているリュウキュウヤマガメは1匹当たり数十万円で取引されている事例もある。一方、同園はカメの行方が分からなくなってから3日後に環境省へ通報しており、同園の管理体制に識者からは批判も上がっている。

 昨年10月、日本人男性が香港の空港でリュウキュウヤマガメ60匹を密輸しようとして逮捕された。現地メディアなどによると、この事件での香港の裁判所の判決で、1匹当たり約12万~56万円で取り引きされていることが明らかとなった。リュウキュウヤマガメは沖縄の固有種のため、世界自然保護基金(WWF)ジャパンは「密輸されていることは排除できない」との見方を示す。

 沖縄こどもの国によると、飼育場のネットが外されており、同園は何者かに盗まれた可能性もあるとして6日、沖縄署へ被害届を提出した。同園は10月28日にカメの行方が分からなくなったことを確認していたにもかかわらず、沖縄奄美自然環境事務所に同園が通報したのは同31日だった。大宜見こずえ動物園課長は6日「天然記念物ということもあり、事実確認をしっかりした上で関係機関と調整をする必要があった」と説明した。

 同事務所は通報を受けて税関などに密輸の防止などを要請したが、通報の遅れが水際での対策に影響を与えた可能性は否定できない。琉球列島の爬虫(はちゅう)類、両生類の自然史などを専門とする兵庫県立大の太田英利教授は「通報まで3日もかかっているのは対応が遅すぎる。既に(主な密輸先とされる)中国などに輸出されてしまった可能性がある。園の管理体制がずさんだ」と指摘した。



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