首里城再建 県民主体で 政党座談会 党派超え取り組みへ


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 首里城焼失を受けて琉球新報社は9日、那覇市泉崎の本社で県内8政党と県議会会派のおきなわの代表を招いた座談会を開いた。各政党・会派とも首里城の存在について「県民のよりどころ」「沖縄の象徴」との認識を示し、今後の再建に向けては「超党派で取り組むべきだ」との意見で一致した。一方、再建の主体については若干の違いは見られたものの、国主導ではなく、県民を主体に官民一体となって「復興、復元、再建」を目指すべきだとの指摘が相次いだ。

首里城再建に向け協力を誓う各政党の議員ら=9日午前、那覇市泉崎の琉球新報本社9階新報スカイガーデン

 首里城の管理責任を巡っては意見が割れた。自民と維新は、今年2月に首里城正殿などの有料区域の管理が国から県に移行されたことを念頭に「責任は県にある」と主張した。一方、出火原因が特定されていないことから、「検証を進める中で議論すべきだ」(公明)、「大事なのは明らかになった課題にどう対応すべきか」(国民)、「国、県、美ら島財団共に責任がある」(社民)などの意見も出た。

 県は2月以降の管理体制について「移管後に管理方法を緩めたことはなく、火災と移管に関係があるとは認識していない」との立場をとっており、県の管理体制の検証も必要となる。

 首里城焼失以降、政府は関係閣僚会議を開催するなど早期の再建を表明。安倍晋三首相は「必要な財源を含め政府として責任を持って全力で取り組む」と述べており、今後、再建に向けた予算措置の在り方が焦点となる。自民と維新を除く政党・会派は「県民の暮らしに支障がないようにすべきだ」(共産)として、沖縄関係予算とは「別枠」での財源確保を求めた。

 自民は「これから決めることだ」と指摘し、維新は「まずは県がどうあるべきか明確にすべきだ」と主張した。首里城の早期再建では各政党・会派共に一致しているものの、責任の所在や管理体制の在り方などを巡っては違いが見られた格好だ。