10月に10作目のアルバム「スターシャンク」をリリースしたCoccoに、歌手以外の活動や今後について聞いた。(聞き手 藤村謙吾)
―2018年にアパレルブランドを立ち上げた経緯は。
「今の音楽の形がよく分からなくなっていた。私はCDとラジオでしか音楽を聴かないし、今もアルバムのジャケットの色で悩んだり、ブックレットの文字校正のために徹夜したりしてCDを作っている。でも今音楽はダウンロードするものになりつつある。私は携帯電話も持っていないから分からないことだらけで不安になった。だから、ちゃんと触れられるものをやりたいと思いアパレルブランドを立ち上げた。ダウンロードは目に見えないものだけど洋服はみんな着ていて、肌触りがある。いくら形が変わっても身にまとうものはこの先もなくならない」
―CDと一緒に絵本「みなみのしまのはなのいろ」も出版した。
「昨年末くらいから友人や後輩の懐妊が続いた。初産の子や、十何年も不妊治療をしていた子からも妊娠報告が続いて、とても幸せな気持ちになった。でも妊婦には何があるか分からないから心配で。おなかの赤ちゃんたちに『あんたたちが読む絵本もCoccoおばさん書いちゃうよ。だから、生まれてこないといけないよ』と、既成事実を作ろうと2週間くらいで絵と物語を書き上げた。ことしの夏までに全員無事に生まれてきて、めでたい絵本になった」
―12月の全国ツアーの後、どのような活動をしていく予定か?
「20周年を終えた後、もう表舞台に出たくないと思っていた。でも毎日曲は生まれるし、どこにやったらいいか分からないから、楽曲提供だけ対応していた。音楽活動を休止していた2002年くらいから逃げては帰ってきてを繰り返していて、いい加減『これをずっとやるんだろうな』と思っている」
◇ ◇ ◇
Coccoのニューアルバム「スターシャンク」(ビクターエンタテインメント)は3千円(税抜き)で発売中。絵本「みなみのしまのはなのいろ」は、1500円(税抜き)。ライブツアー2019「スターシャンク」を12月6日の宮城県開催を皮切りに、26日の福岡県まで全国6都市で開催する。ツアーチケットの申し込みはhttp://eplus.jp/cocco/まで。