廃油削減で環境に優しい! 乳化を防ぎ油が長持ちするプレートを開発


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活油プレートを製品化した鈴木修一氏(左)と宮城竜太氏=那覇市泉崎の琉球新報社

 環境や健康事業のシーナプロジェクツ(那覇市)が、天ぷらなど揚げ物を作るフライヤーに入れることで廃棄油削減などの効果を発揮する「活油プレート」を製品化した。特殊な鉱石で製造した活油プレートをフライヤーに入れると、遠赤外線を発して油の乳化を防ぎ、長持ちさせることが可能という。製品化に携わった環境コンサルタントの鈴木修一氏は「環境に優しく、持続可能な社会に貢献できる」と話す。

 揚げ物で使う油は食材の調理を続けるうちに水分と混ざり合い、白く濁る乳化した状態となる。天ぷらの具材に多く使われる魚などは水分が多く、油の乳化を引き起こしやすいという。乳化すると油の品質が落ちるため、一定期間で取り換えが必要となる。

 鈴木氏は「頻繁に油を変えることになれば、廃棄が増えて環境にマイナスの影響を与える。油のコストも余計にかかり、事業者の経済負担にもなる」と語る。

 活油プレートが発する遠赤外線は水と油を分離する効果があり、乳化を防いで長持ちさせられるという。遠赤外線によって熱伝導率が上がり、鈴木氏は「油の温度を10度ほど押さえても従来通りに食品を揚げることができる」と説明する。温度を低くすることで、光熱費を下げる効果も期待できる。活油プレートは県内の天ぷら店やホテルなどで導入されている。

 鈴木氏は「油を長持ちさせることは環境にとってプラスで、コスト削減にもつながる」と強調する。シーナプロジェクツの宮城竜太氏は「調理油に使うコストを削減することで、新たな事業に投資する費用も生み出せる。活油プレートで企業の力になりたい」と話した。