再犯防止計画 3月策定 県、就労や依存症者支援


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 県は2020年3月、罪を犯した人の立ち直りを支援する「県再犯防止推進計画」を初めて策定する。就労や住居の確保、薬物・アルコール依存者への支援、少年の非行防止などの施策に取り組む。「沖縄らしい優しい社会」の構築により罪を犯した人たちを孤立させず、再犯を防いで安全な暮らしの実現を目指す。

 月内にも意見公募

 計画検討委員会が18日県庁で開かれ、素案修正について委員らが意見を交わした。県子ども生活福祉部は月内に素案へのパブリックコメント(意見公募)を開始予定で、来年2月中旬には計画案を取りまとめる。

 16年施行の再犯防止推進法に基づく策定で、罪を犯した人や非行少年などを支援する。計画期間は20年度から5年間。同部によると19年4月時点で14都府県が策定済み。

 法務省によると、14~18年の刑法犯摘発数に占める再犯者の比率(再犯者率)は全国平均の40%台に対し、県内は50%台で推移。18年は53・6%で全国2番目の高さだった。

 計画では17年の沖縄刑務所入所者のうち60・7%が無職だったことなどから、不安定な就労が再犯を招く可能性を高めているとして就労支援は大きな課題の一つと位置付ける。施策として、専門相談員による個別支援や就労訓練する民間事業所の掘り起こし、生活困窮者向け基礎能力形成の支援などを掲げた。県内は薬物事犯の摘発率が増加傾向で、飲酒要因の犯罪が4割を占める問題も抱える。依存症の専門医療機関を指定し周知するなど受け入れの充実化を図るとしている。

 上間司生活企画統括監は「初めての計画。罪を犯した人たちが立ち直り、社会の一員になれるよう支援する仕組みをつくりたい」と話した。