沖縄で人工透析移行率が高いのはなぜか?


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
基調講演した豊見城中央病院の西平守邦医師=1日、那覇市おもろまちの県博

 糖尿病性腎症の重症化や人工透析への移行を未然に防ぐ知識を啓発する「腎臓と糖尿病を知る県民講座」(主催・県腎臓病協議会、共催・琉球新報社、全国腎臓病協議会)が1日、沖縄県那覇市の県立博物館・美術館3階講堂で開かれた。約100人が参加し、医師らの講演を通じて腎臓病や糖尿病予防に関して学んだ。

 豊見城中央病院腎臓内科の西平守邦氏は「腎臓と糖尿病予防について」と題して基調講演した。西平氏は糖尿病から新規の人工透析に移行する率が、沖縄は全国で最も高い現状であることを示した上で「糖尿病も腎臓病もぎりぎりまで症状が出ない。早期発見、治療が必要」と強調した。さらに「メタボは糖尿病の前段階。適度な運動やバランスの良い食事が大事だ」と肥満解消の大切さも訴えた。

 このほか、医師で那覇市保健所参事の仲宗根正氏が「市診療医病診連携の取り組みについて」と題して講演した。仲宗根氏は、「二人主治医制」を軸としていることに触れ「掛かり付け医が患者の腎臓の状態に合わせて腎臓診療医を紹介している」と連携の仕組みを紹介した。