社会

SNSを悪用し少女を狙う 児童買春、児童ポルノなど性犯罪摘発、増加傾向

 県内で会員制交流サイト(SNS)をきっかけとした18歳未満の子どもに対する児童買春などの摘発件数が増加傾向であることが7日までに、県警少年課のまとめで分かった。2015年は52件だった摘発件数が17年は95件に増加。18年は87件で、成人男性がSNSで知り合った10代少女を性的暴行し強制性交等で摘発される事件も起きた。加害者の大半は成人男性で、18年の被害のうち85件は少女に対する性的犯罪が多くを占めた。県警少年課の島雅孝次席は「摘発件数は高止まりしている。被害者数も決して少なくない」と警鐘を鳴らしている。

 県警によると、被害に遭った子どもはツイッターやLINE、「ひま部」などのSNSを使っており、ツイッターは約35%と最も利用率が高かった。SNSを使用した理由は「交遊目的」「相談に乗ってくれた」「暇つぶし」などがあった。18年の摘発数のうち、約7割がSNS利用の制限などをするフィルタリングをかけていなかった。

 18年の統計によると、18歳未満とみだらな性行為をするなど県青少年保護育成条例違反の摘発数は50件で前年比10件減。児童に性行為などをさせる児童福祉法違反の摘発件数が1件で前年比6件減となった。一方、児童買春・児童ポルノ法違反は増加し、児童買春は16件で前年比3件増、児童ポルノは19件で前年比4件増となっている。


 被害を年齢別にみると中学生が7人で、最多だった17年に比べ減少したが、高校生は増加し18年は19人が被害に遭った。

 6日には、女子中学生にみだらな行為をしたり、SNSを通じてわいせつな画像を要求したりしたなどとして、児童買春・児童ポルノ法違反容疑と県青少年保護育成条例違反容疑で団体職員の男(24)を再逮捕。わいせつな自画撮り画像を要求する行為は、県青少年保護育成条例違反第17条の4に抵触し、同条例施行後初の摘発となった。

 スマートフォンやSNSの安全な使用法の啓発に取り組む「モバイルプリンス」こと島袋昂さんは、「SNSは悪いことをたくらむ大人からすると(容姿・年齢・性格など)なりすまししやすい。学校や家庭に不満を持つ子の相談に乗る形でつけ込む人がいる」と危険性を指摘した。

 (照屋大哲)

◆識者談話◆安心できる居場所づくりを 上間陽子琉球大教授

 今回の統計で、性的暴行(強制性交等)の被害が1人とあるが、被害に遭っても訴えなかった子のことを考えると実数はもっと多いだろう。

 少女たちが会員制交流サイト(SNS)を介して性的な犯罪被害に巻き込まれる背景には、安心できる居場所の無さがある。安心できて大事にされる居場所があれば、危険な場所へ行っても自分から離れようとする。

 一方で、安心できる場所を持っていない子は安心じゃない場所に飛び込んでしまう。少女たちがネットで知り合った人と直接会うことは、一般的にはとんでもない距離の縮め方に見えるかもしれない。だが、少女たちはそもそもネット以外の世界でも他者と安心できる関係を持っていない。大人はSNSの対策だけでなく、子どもが居心地良く安心していられる居場所や関係性をつくることが大切だ。少女たちは居場所を希求している。 (教育学)



関連するニュース






  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス