糸満市の西崎中学校(神里一吉校長)は14日までに、学期が始まる来年1月6日から女子生徒の制服でズボン着用を認める「制服選択制」を実施することを保護者向けの文書で通知した。女子生徒は、学校側に許可を求めることなく、スカートとズボンの着用を自由に選ぶことが可能になる。
同校生徒会は、9月に女子生徒の制服に関する校則の変更を求めた陳情書を提出。性的少数者(LGBT)の生徒が過ごしやすいだけでなく、多様な価値観を受け入れ、尊重することを趣旨としていた。10月にあったPTA運営委員会と校長からの回答で校則の改正が決定し、早期実現に向けて調整を進めてきた。
女子生徒のズボンについては、これまで男子が着用していたタイプと同じデザインを採用する。制服選択制の導入を議論する中で、保護者の経済的負担になる可能性についても考慮していたが、これまでと同じデザインにすることで負担が軽くなるメリットもあるという。
生徒会長の照屋規翔(のりと)さん(3年)ら生徒会執行部は「思っていたよりも早く実現できてうれしい」と喜び、「(生徒に)『ありがとう』と言ってもらうこともある。多様な価値観を認められる社会を学校から目指していきたい」と話した。
(下地陽南乃)