「子どもたちに温かい朝食を」 地域住民が協力し子ども食堂開店


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「おいしい?」と話し掛けながら子どもたちを見守るシチマンタル食堂のボランティアスタッフ=4日、名護市羽地小学校

 【名護】「子どもたちに温かい朝食を」。名護市羽地小学校で地域住民らによる子ども食堂が4日、オープンした。約半年かけ、地域住民らが力を合わせて開いた食堂はその名も「シチマンタル食堂」。ポーク玉子にみそ汁、炊きたてご飯。ほかほかの湯気の向こうに子どもたちの笑顔が咲いた。

 シチマンタルは羽地の言葉で「やってやろう」などを意味する。その名のとおり「子どもたちのためにできることをやろう」との思いで始まった。住民らをサポートする名護市市民福祉部生活支援課生活サポート係の宮城隆一さんは「最初は居場所づくりからだった」と話す。

 羽地地域ではことし7月、市が中心となって子どもの居場所づくりワークショップを開催。その中から「朝ご飯を食べる場所を作ろう」との機運が高まり、小学校や区長会らが協力し実行委員会が発足。ボランティアや食材を募り、実現した。

 シチマンタル食堂は週に1回、朝7時半から羽地小の家庭科室で開く。チケット制で一食100円。メニューは毎回、手に入る食材で栄養バランスを考えて決める。

 宮城さんによると、子どもたちの中にはさまざまな理由でアイスクリームやポテトチップスなどで朝食を済ませてしまう子もいるという。ボランティアで参加する宮城弘子さん(70)は「朝ご飯は一日の要。しっかり食べて元気に育って欲しい」とポークにかぶりつく子どもに目を細めた。

 羽地小の玉城武利校長は「地域の皆さんの温かい気持ちがありがたい。地域の方と児童の交流の場所にもなる。おいしいご飯を食べて、エネルギーを補給して勉強も頑張ってほしい」と話した。