社会

IR誘致で沖縄の政財界回遊 秋元議員とともに逮捕された2容疑者 選挙運動にも関わる

IRと沖縄観光をテーマに中国のインターネットカジノ企業、500ドットコムが主催したシンポジウム=2017年8月4日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 統合型リゾート施設(IR)誘致に絡み、元自民党の秋元司衆院議員(48)が東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕された事件は、県内でも波紋を広げた。秋元議員と共に逮捕されたのは、沖縄でのIR事業展開を狙っていた中国企業側の「顧問」を名乗っていた容疑者の男(48)と元浦添市議の仲里勝憲容疑者(47)。2人は浦添市の米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)跡地利用で浮上したカジノ誘致の動きに参入。IR誘致推進に関するシンポジウム開催に関与するなど、県内の政財界で活発に活動していた。

 「名前は言えないけど、大企業です」。2018年7月、県内でのカジノ事業展開を目指す中国企業「500ドットコム」の事業PRのために琉球新報社を訪れた容疑者の男は、協力企業の存在を尋ねる記者にこう答えた。共に来訪した「500ドットコム」の潘正明社長の隣で、補佐役のように振る舞っていた。

 複数の関係者や本人のブログによると、関西出身の男は17歳で雑貨の輸入販売事業を始め、タイやマレーシアで活動。07年に県内でコンサルティング関連会社を設立した。一方で複数の県内政治家と交流を重ねた。県内の政治関係者は「一時は『選挙プランナー』として革新候補の陣営に入り込んでいた。保守と革新両陣営の選挙運動に関与していた」と評する。

 容疑者の男がIR事業の誘致に傾倒するようになったのは10年ごろとみられる。同時期に、県内建設業大手の国場組の元幹部と接点を持ったとされる。「IR誘致推進派の取りまとめ役だった故国場幸一郎氏に気に入られた。国場氏が社内につくった別会社に出入りするようになっていった」(経済関係者)

 事件の鍵を握るもう一人が仲里容疑者だ。同容疑者を知る浦添市の関係者によると、同容疑者は都内の有名私大の大学院を中退後、大手証券のベンチャーキャピタルに入社。沖縄に戻ってからはコンサルタント業を経て13年2月に浦添市議に当選。17年に落選後は松本哲治浦添市長の後援会事務局長を務めていたが、今月中旬に「一身上の都合」として辞職したという。

 同後援会の仲西佑之郎会長によると、仲里容疑者は17年6月から事務局長を務めていた。後援会は同容疑者が経営する会社と業務委託契約をして、後援会の決算、報告書の作成などを依頼していたという。仲西会長は「逮捕は寝耳に水で、怒りも悲しみもあって複雑だ。信用していたのに裏切られた」と話した。

 容疑者の男は仲里容疑者について「幼なじみ」と紹介することもあり、自身の会員制交流サイト(SNS)には「古い大阪時代の友人」と書き込んでいた。

 県内政財界を回遊していた2人が、秋元議員と接点を持つようになったのが、仲里容疑者、秋元衆院議員が政治的基盤を持つ浦添市だったとみられる。



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