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ゴーン被告逃亡、関空警備の穴突く 協力者が事前に下見 プライベート機用ターミナルは着陸便がない限り「ほぼ無人」

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By Nick Kostov, Mark Maremont and Rory Jones

2020 年 1 月 6 日 11:30 JST 更新
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 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が先週レバノンに逃亡した事件で、計画に関与した人物がその約3カ月前に関西国際空港を訪れ、警備に大きな抜け穴があることを確認していたことが分かった。事情に詳しい関係者らが明らかにした。

 この関係者によれば、プライベートジェット機用のターミナルは着陸便がない限りほぼ無人の状態で、空港の保安検査装置も大型の荷物に対応できていなかったという。

 こうした警備の抜け穴が映画さながらの逃亡劇を成功させるカギとなった。金融商品取引法違反などの罪で起訴され保釈中の身だったゴーン被告は無罪を主張しており、これまでは法廷で争う姿勢を示していた。

 逃亡劇は裁判所に監視されていたゴーン被告の東京の自宅から、大阪の関空まで約480キロの移動から始まった。その後、被告はコンサート機材などを運ぶ大型の黒い箱に身を潜め、待機していたプライベート機に積み込まれたとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこれまでに報じている。黒い箱の底には呼吸ができるように複数の穴がドリルで開けられていた。

 プライベート機には人質救出経験のあるマイケル・L・テーラーという米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)元隊員と、警備会社経験のあるもう1人の米国人も搭乗した。ゴーン被告の考えに近い人物らによれば、逃亡は本人が決めたことで、12月下旬に最終的に決断したという。ただ逃亡計画は数カ月前から詳細が詰められ、さまざまな国籍を持つ10~15人のチームが関わったと、関係者の1人は述べた。

 このチームは日本を20回ほど訪れ、少なくとも10の空港を視察。最終的に関空が脆弱(ぜいじゃく)だと判断したという。

 関空の広報担当者は、警備体制は他の国内空港と変わらず、エックス線検査に掛けられない大型荷物はすべてスタッフが開けて中身を確認する決まりだと述べた。だが空港警備に詳しい専門家らによれば、プライベート機の利用者はテロのリスクが低いとみなされているため、その手順は必ずしも守られていない。

 事情に詳しい関係者らによれば、この逃亡計画には数百万ドル(数億円)の費用がかかった。同様の救出作戦の場合、作戦に関わるチームは事前に費用が支払われ、作戦の成功後に多額の報酬を受け取ることが多いと専門家らは述べている。

 テーラー氏がかつて米ボストンで経営していた民間警備会社は2009年、アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンに拘束された記者の救出を支援するため、米紙ニューヨーク・タイムズと契約したことがある。




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