災害多発で注目集まっているのは…ガスで発電の家庭用燃料電池「エネファーム」


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自宅でガスを使って電気とお湯をつくる「エネファーム」を設置した嘉数牧子さん=2019年12月9日、南城市の嘉数さん宅

 ガスを利用して自宅で電気とお湯を作ることができ、日々の電気代の節約と併せた停電時の非常用電源として、沖縄ガス(那覇市、我那覇力蔵社長)は家庭用燃料電池「エネファーム」の取り扱いを始めた。近年の災害による大規模停電の発生を受け、関心が高まっているという。

 昨年12月、県内の購入者第1号となる南城市玉城の嘉数好哉さん(51)、牧子さん(43)夫妻の自宅にエネファームが設置された。嘉数さん宅は高台にあり、台風シーズンには毎年3日間程度停電するという。牧子さんは、2018年の台風による大規模停電で苦労した大阪の友人から話を聞き、購入を決めた。

 エネファームは停電時でも最大700ワットまで発電できる。牧子さんは「復旧するまでの数日間に、携帯電話の充電や冷蔵庫、扇風機、子どもたちのストレスがたまらないようにテレビやゲームが使えるようになれば、心に余裕が持てる」と話した。

 政府は省エネの観点からエネルギー基本計画でエネファームの普及目標を掲げ、18年度末に全国で約27万6千台が普及している。沖縄ガスによると、現在約20台の設置が決まっていて、問い合わせも多いという。