股間の痛みこらえ…子宝祈願の伝統行事 男性が丸太にまたがり区内を練り歩く


社会
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ウマにまたがり、痛みに耐えながら公民館を目指す棚原順さん=3日午後、名護市久志

 【名護】丸太を十字に縛った「ウマ」にまたがり、子宝を願う男性を乗せて集落を練り歩く沖縄県名護市久志区(宮里武継区長)の行事「ドウドイ」が3日、同区内で行われた。

 ことしは、久志出身で市在住の棚原順さん(46)=自動車学校指導員=が昨年に引き続き挑戦し、痛みに耐えながら約10分間ウマを乗り切った。

 ドウドイは、久志の年中行事である「カーウガミ」(川・井泉拝み)の日に行われる。住民らは3日午後、集落内の川や井泉など7カ所を巡拝した。

 その後、アダンの木にまたがった棚原さんを3人の男性がかつぎ、ほら貝の音とともに住民らが「ドウドイ、ドウドイ」と掛け声を掛けながら集落内を歩いた。

 棚原さんが、時折苦痛に顔をゆがめながらも、最終地点の久志区公民館に到着すると、訪れた人々が大きな拍手や指笛で激励した。

 棚原さんは「何とか落ちずに乗れた」と安堵(あんど)の表情。「ことしは子孫繁栄を象徴するねずみ年。赤ちゃんを望む6歳の息子のためにも、いい年にしたい」と笑みを見せた。

 宮里区長は「ドウドイには長い歴史がある。今後も、若い人たちに行事を引き継いでもらいたい」と話した。