米軍ヘリが本島沖に墜落 沖縄県が飛行停止要求を検討 所属は海軍第7艦隊指揮艦


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沖縄本島東の沖合に墜落した米海軍MH60ヘリコプターの同型機(2008年撮影)

 米海軍のMH60ヘリコプター1機が25日午後4時24分、那覇空港の東約174キロの公海上に墜落した。自衛隊や海上保安庁、米軍の救助活動で、ヘリの乗組員5人全員が救出・搬送された。事故機は米海軍第7艦隊の指揮艦ブルーリッジに所属する。沖縄県内で発生した墜落事故は、沖縄が日本に復帰した1972年以降、51件目となった。県は原因が究明されるまでの飛行停止を求めることも含め対応を検討している。

 米海軍はウェブサイトで乗組員5人の容体について「安定した状態にある」と説明した。墜落の原因などについては「MH60は事故時、通常の運用をしていた」として、詳しい状況を明らかにしていない。沖縄防衛局は事故を「着水」として発表した上で、「さらなる情報について米軍に確認中」と説明した。

 事故機が所属する艦艇ブルーリッジは神奈川県横須賀市の横須賀海軍施設を母港とする。県内への寄港は確認されていないが、本島東沖に停泊していた。

 米海軍は25日から、陸上自衛隊との日米共同訓練を金武町の米軍ブルービーチ訓練場や沖縄周辺海域で開始している。墜落と共同訓練との関連について、陸自関係者は「関係はない」としており、26日以降も共同訓練は実施される見通し。

 県には25日午後5時すぎ、自衛隊から事故の情報が入った。謝花喜一郎副知事は本紙の取材に「度重なる事故のたびに原因究明と再発防止を求めてきた。県としては原因究明まで飛行中止を求めることになるだろう」と述べた。

 航空自衛隊那覇基地は午後5時ごろから救助活動に当たった。空自から知らせを受けた海上保安庁第11管区海上保安本部も巡視船や航空機を現場に向かわせた。機体や漂流物、油漏れなどは確認されなかったという。関係者は「機体や部品が海面に浮いているのは確認できず、機体は海中に沈んだ可能性が高い」と話した。

 米海軍によると、5人のうち3人を空自ヘリが、2人を事故機と同型の米軍MH60が救助した。関係者によると、一部はキャンプ瑞慶覧の海軍病院に運ばれた。

 2015年8月には、今回墜落したのと同型機で米陸軍のMH60ヘリがうるま市伊計島南東の海上で米海軍艦船への着艦に失敗し、墜落している。