首里城「見る」だけでなく「使える」施設に 再建へ19年度内に基本方針を策定 有識者懇談会


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 首里城復興に向け28日に開かれた「第1回首里城復興基本方針に関する有識者懇談会」(会長・下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長)では、歴史学習の視点から首里城地下にある旧日本軍第32軍司令部壕の公開を求める意見や、観光客や県民に組踊など沖縄の伝統芸能を見せられるよう公演ができる施設として整備する案があった。従来の「見る」だけではない「使える」施設として首里城の新たな活用を探る議論がなされた。懇談会は3月下旬までにあと2回開催し、県は2019年度内に首里城復興基本方針をまとめる。20年度に基本計画を策定する見通しで、首里城復興は本格化する。

 懇談会の委員は県内有識者や首里振興会の代表ら8人で構成。初会合では首里城の新たな活用と、長期的な復興を予想し首里城への関心を継続する取り組みについて議論を交わした。

 委員からは防災上の観点から、南殿や北殿に設置されていた収蔵庫を城外に移設する案や、木造修復に正殿のほか南殿や北殿も加えるなどの意見も上がった。

 19年度中に防災の在り方を含めた基本方針を取りまとめたい考えだが、今後の見通しについて事務局の県首里城復興戦略チームは「基本方針は本年度の成果として計画通りに取りまとめたい。第三者委員会は消防の結果を受けて早急に立ち上がる。首里城復元に向けた技術検討委員会で防災も検討テーマになるため、その内容も方針に反映させたい」と話している。