2000円札を使えば寄付金に 首里城再建で沖縄県銀行協 流通500万枚増を目指す


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2千円札の流通量増加に応じた金額を首里城再建に寄付すると発表した県銀行協会の川上康会長(中央)ら=6日、那覇市松山の県銀行協会

 沖縄県内に店舗を構える6金融機関でつくる県銀行協会(会長・川上康琉球銀行頭取)は6日、首里城再建の支援金として、「守礼門」を描いた2千円札の県内流通量の増加分に応じた金額を県に寄付すると発表した。2021年12月までの2年間で、2千円札流通額の100億円(500万枚)増を目指す。

 2千円札を活用し、再建に向けた機運を高める。19年12月末段階で県内の2千円札の累計流通枚数は683万枚、金額で136億6千万円となっている。以降の流通金額の増加分の0・1%を再建支援の寄付に充てる。目標の100億円増加を達成した場合、最大1千万円を寄付する。

 利用者が現金自動預払機(ATM)などで現金を引き出す際に、2千円札を選択することで流通金額が増える。参加する琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行、鹿児島銀行、みずほ銀行、コザ信用金庫の6機関が、預金シェアに応じて寄付金を分担する。

 川上会長は「県民だけでなく、観光客が趣旨に賛同して2千円札を引き出すことで寄付金額が増える。県外に持ち帰ることで啓発にもつながる」と話した。

 流通額は日本銀行那覇支店から各行に送り出された2千円札の数から、古くなって同支店に回収された数を差し引いて計算する。

 同協会によると、18年度の流通増加額は約10億円にとどまったが、火災後の19年11月は2億4200万円、12月は2億5千万円と従来よりも多いペースで増加しているという。