石垣陸自配備で市有地売却を提案へ 市が額決定も非公表


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 【石垣】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、石垣市は沖縄防衛局に売却と貸し付けをする方針を示していた配備予定地の市有地約22・4ヘクタールの売却額と賃貸料を決定した。5日に開かれた市公有財産検討委員会(委員長・川満誠一副市長)で承認した。現段階では価格は非公表。売却については市議会の同意が必要で、市は市議会3月定例会に議案を提案する見通し。

 売却の議案を審議する市議会構成は市政与党多数だが、公明など与党内にも配備計画を推進する立場ではない議員もいる。野党も強く反発することが予想されることから、可決されるかは現時点で不透明だ。

 市契約管財課によると、売却面積は約14ヘクタール(10筆)、貸し付け面積は約9ヘクタール(3筆)。売却額は、市と防衛局双方の不動産鑑定価格を比較し、決定した。賃貸料は、現行規則における平得大俣地域の単価を準用した。

 市は5日付で防衛局に委員会の結果を通知した。今後、防衛局の売却・貸し付け申請を受け、市長が決裁する。売却額・賃貸料は、売却の議会提案時に公表する考えを示している。

 貸し付けについては、市長決裁で完了する。貸し付け用地に強固な施設建設が予定されていないことから、市公有財産規則に基づき、5年以内の契約になる予定だという。市は貸し付け契約についても、売却に関して議会の同意が得られてから締結されるとの見通しを示している。

 陸自配備予定地の市有地の処分について、市は2019年11月の公有財産検討委員会で、隊庁舎や覆道射場などの施設が配置される範囲を売却、それ以外について貸し付ける方針を決定した。20年1月21日付の防衛局の売却・貸し付け面積の提示を受けて、売却額などを確定した。

 一方で、2月4日には石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会が市に対して、民意が示されないまま市有地を処分しないよう求める要請をするなど、現状での配備に反対する市民の声は根強い。