「物流で沖縄の課題を解決したい」 荷物配達マッチング「ピックゴー」のCBクラウド 4月に沖縄に拠点設置へ


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沖縄事務所の開設について説明したCBクラウドの松本隆一CEO(左)と翠勇樹執行役員=7日、那覇市泉崎の琉球新報社

 荷物を届けたい人と個人事業主の配送業者を直接つなぐ配送マッチングサービス「PickGo(ピックゴー)」を提供するCBクラウド(東京都、松本隆一CEO)が4月、沖縄事務所を設置する。県出身の松本CEOが地元に貢献したいとの思いから、ピックゴーの県内での普及や買い物代行事業の実証実験などに取り組む考え。県内物流事業者、小売業者などと連携した新たな事業展開も模索する。

 ピックゴーはスマートフォンアプリなどを用いて荷主から荷物を受け付け、登録している全国1万5千人の軽貨物ドライバーに配送を依頼する仕組み。依頼から最短で32秒、多くの場合1分以内にドライバーを見つけられ、“業界最速”をうたう。

 全国では物流大手の佐川急便と提携した配送業務を展開しているほか、インターネットで注文した事務用品を、企業などに直接届けるサービスを展開するアスクルとも連携している。2016年にピックゴーの前身のサービスを開始して以降、19年10月時点の貨物配送実績は160万個を超えた。

 沖縄事務所では4月以降の1年でシステム開発担当など約10人を雇用する予定。ピックゴーは沖縄ではあまり普及していないといい、県内企業とも連携し、インバウンド需要なども含めた開拓を進める。スーパーなどと連携し、買い物代行事業なども展開したい考え。

 同社はスマートフォンで宅配物のバーコードを読み取ることで最適な配送ルートを自動作成する「LAMZ(ラムズ)」、運送会社の車両のスケジュールや現在の所在地、配送状況などを一元管理できる「ichimana(イチマナ)」などのサービスも提供しており、ピックゴーと合わせて普及を図る。

 松本CEOは「沖縄で全国レベルのシステム開発の仕事ができる環境をつくり、県民が地元で力を発揮できるようにしたい。私自身が沖縄出身なので、物流事業で沖縄の課題を解決し、沖縄の未来に貢献したい」と思いを語った。