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新型ウイルスと「空の旅」 機内での注意点は


ライフ

手を洗うなどの通常の予防策のほか、飛行機で特に気を付けるべきこともある

By Scott McCartney
2020 年 2 月 6 日 08:48 JST 更新プレビュー



他のウイルスの研究によると、飛行機では感染者から2、3列以内にいるとリスクにさらされる KIM HONG-JI


 世界的な公衆衛生危機の中、飛行機で移動するのが心配なら、手を洗うことだ。

 専門家によると、新型コロナウイルスに対して講じ得る最善の予防策は、インフルエンザや風邪、その他のウイルスの予防策と同じだ。つまり、頻繁に手を洗ったり、手の殺菌剤を使ったりすることだ。飛行機ではエアベントを開けて自分の顔に向け、フィルターを通った空気を吸うようにする。

 中国国外の新型コロナウイルスでは主に旅行者が注目されているが、飛行機に乗ったからといって、感染の可能性がある人との濃厚な接触が予想される他の場所(地下鉄、映画館、食料品店の列)より高いリスクにさらされるわけではない。

 しかし、飛行機に乗れば他人との濃厚な接触があるし、旅行者の方が病気にかかるリスクが高いことは研究で示されている。ある研究によると、一般的な風邪をひくリスクは飛行機では20%高い。

 2009年にあるフライトでH1N1型インフルエンザの感染状況を追跡した研究では、飛行時にH1N1型のあった旅客は2%、着陸後1週間以内に発症した旅客は5%だった。エコノミー席の客は、搭乗中に症状のあった旅客の席から2列以内に座った場合にH1N1型の感染リスクが3.6%上昇した。感染者から2席以内の旅客は降機後の疾病リスクが7.7%高まった。

 エコノミークラスとファーストクラスのリスクに関する別の研究では、結論は明らかだった。周囲に人が少ないほどウイルスにさらされる確率が低い。満席であれば、エコノミーよりもファーストの方が感染確率は低い。だが、ファーストが満席でエコノミーがそうでなければ、確率が逆転することもある。

 保健機関は飛行機での移動そのものに関する警告は(中国行き以外は)発していない。懸念されているのは、飛行機が感染者を世界中に移動させることによってウイルスを運ぶ点だ。

 コロナウイルスは呼吸器系ウイルスで、せきやくしゃみで排出される小さな飛沫(ひまつ)を通じてうつると考えられている。他のウイルスの研究によると、飛行機では感染者から2、3席以内にいるとリスクにさらされる。これは基本的に、飛沫が到達し得る距離だ。

 機内の空気は一般にエリアごとに隔絶されている。自分のエリアの空気は吸い込まれ、同じエリアに再循環される。また、現在飛んでいる大半の機体では、1時間に20~30回フィルターを通った空気が再循環に回る。使われているのは「HEPA」という高性能フィルターで、病院の手術室クラスのものだ。米疾病対策センター(CDC)によると、バクテリアや菌類、ウイルス塊といった微粒子状物質の99.9%を除去する。

 CDCは「客室の空気環境は大半の感染症の拡散を助長するものではない」としている。

 世界保健機関(WHO)によると、旅行者への一般的な勧告はコロナウイルスにも当てはまる。内容は以下の通り。

*アルコール製剤で手をこすり合わせたり、せっけんと水で頻繁に手を洗ったりする

*せきやくしゃみをするときはティッシュなどで口と鼻を覆い、ティッシュはすぐに捨てて手を洗う

*熱がある人やせきをしている人との濃厚な接触は避ける

*熱やせき、呼吸困難といった症状があればすぐに医療処置を求め、医療機関に渡航歴を伝える

 本コラムからのアドバイスは以下の通り。

*航空会社による機内清掃は不十分なため、座席テーブルやアームレストなどの表面を拭くために殺菌シートなどを持っていく

*通常の紙製の外科手術用マスクは、自分の細菌が外に出て他人に感染することを防ぐ目的で作られており、医師によるとこれではコロナウイルスの侵入を止められない。標準的なマスクより厚い「N95」が必要だ(ただし長時間着用するのはつらい)。

*近くの人がくしゃみやせきをしていたら口を覆うよう頼み、客室乗務員に空席に移りたいと頼む。それが真ん中の席でもだ。




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