包括的な学びが重要に 沖縄戦から75年、県が継承へシンポ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
戦争、平和、基地などについて意見を述べる登壇者ら=12日、那覇市の沖縄タイムスビル

 沖縄戦から75年の節目を迎えた今年、平和への思いを発信する「ぴーすふるシンポジウムIN沖縄」(県主催)が12日、那覇市の沖縄タイムスビルで開かれた。国際ボランティア団体や研究者、学生らが沖縄戦をその時代背景も含めて包括的に学ぶことの重要性や、暴力や戦争を防ぐすべについて意見を交わした。

 パネル討論では沖縄戦の伝え方や基地問題が議題に上った。琉球大講師の山本章子氏は学生が沖縄戦の授業で基地問題に触れることを敬遠すると紹介した。「米軍は上陸と同時に基地を造っていったが、知識が断片的で(学生がそれを)知らない。沖縄戦がどういう時代状況の中で起きたのか。縦軸と横軸の知識をつないであげることが私の役目だと思う」と述べた。

 世界の紛争地で人道支援するNPO法人日本国際ボランティアセンター代表理事の今井高樹氏は「沖縄戦の教訓を現在の紛争と併せて考えると、いかに戦争が起きてはいけないものかということがより深く分かってくる」と述べ、戦争や紛争の実相を教訓とすることが必要だと強調した。