新型肺炎で専門外来設置を要請 沖縄県が複数の医療機関に 一般外来と分ける狙い


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沖縄県庁(資料写真)

 肺炎を引き起こす新型コロナウイルス感染症の県内発生に備え、県地域保健課は12日、複数の医療機関に、感染の疑いがある患者を診察する「帰国者・接触者外来」を設置するよう依頼した。診察した疑い例は国が提示する定義に基づきウイルス検査を実施することになっているが、県内の医療関係者からは対象を中国湖北省に限定したことに「漏れが出てくる可能性がある。検査はより柔軟にしてほしい」と求める声が上がっている。

 「帰国者・接触者外来」の設置は厚生労働省が1日に通知していた。設置病院については感染防止を図るため、一般への公表は原則行わないという。ウイルス検査対象は37・5度以上の発熱や呼吸器症状を有し、インフルエンザ検査が陰性で原因不明でも、湖北省への渡航歴や渡航者との接触歴がある人となっている。春節が過ぎ湖北省からの渡航も制限される中では、検査対象に該当する事例もほとんどない状況とみられる。

 医療関係者は「通常の風邪にはない筋肉痛や息苦しさ、倦怠(けんたい)感などの症状を訴える患者がいたら、接触歴とは関係なく検査の拡大を検討する時期にある」と指摘。「中国から来た人と接した患者や疑い例と似た症状がある人も、積極的に検査することで潜在的な広がりを察知することになり、何もなければ安心材料になる」と提起した。