マラソンのゴール直前 人が倒れている 負傷したランナーを背負ってゴール「記録よりも『ありがとう』がうれしかった」


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倒れていたランナーを背負ってゴールした専門学校生の天願勇斗さん

 沖縄市の専門学校生、天願勇斗さん(20)は、ゴール前で倒れ込んだ男性ランナーを背負って共に完走を果たした。天願さんは4月から海上保安庁に入庁する予定で、学生生活最後となるマラソンの思い出とともに、「人助け」の経験も積んだ。

 天願さんは友人らと共に42キロ余りを走り、ゴール地点の競技場に入ったところで異変に気が付いた。前方に、負傷したとみられる年配の男性ランナーが倒れ込み、動けなくなっていた。

 放っておけなかった天願さんは男性を背負い、そのままゴール。記録は6時間24分39秒だった。ゴール後、男性は救護場所に運ばれたため、お互いの名前などを伝え合うことはなかったという。

 天願さんは「記録うんぬんより、『ありがとう』と声を掛けてもらえたのが、何よりうれしかった」と充実感をにじませた。