台湾でシェア7割の電子マネーが日本に上陸 琉銀と提携 7月から全国へ拡大


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琉球銀行の川上康頭取(左から3人目)と提携を発表する台湾のイージーカード社の陳亭如社長(同2人目)ら=17日、那覇市久茂地の琉球銀行本店

 琉球銀行(川上康頭取)は17日、台湾の電子マネー「悠遊カード」を発行するイージーカード社(陳亭如社長)と提携し、悠遊カードの日本国内での加盟店業務を7月から始めると発表した。同カードの台湾以外での展開は初めて。琉銀は全国の地方銀行などと協力して加盟店を拡大していく。

 悠遊カードは交通系のICカードで、地下鉄などの公共交通機関やコンビニ、飲食店などで盛んに利用されている。2019年10月時点で発行枚数は約7890万枚、月間の使用額は約400億円に上り、台湾で電子マネーのシェア7割以上を占める。

 琉銀は17年からビザやマスターカードといった国際ブランドのクレジットカード加盟店業務を手掛けており、県内の飲食店やホテルなど約5千店舗が加盟している。台湾内で最も使われている悠遊カードを加えることで、手数料収入をさらに強化する狙いがある。

 加盟店から得る手数料収入はイージー社と折半し、台湾観光客がカードを利用する際の為替手数料は琉銀に入る。

 加盟店の全国展開では、日本国内で同カードを使用するためのシステム構築に「億単位」(川上頭取)を投資する。全国の地銀などにシステムを提供して加盟店を広げてもらい、決済額に応じた手数料を琉銀が地銀などから得る。

 18年度に台湾から沖縄を訪れた観光客は91万7千人。日本全体では480万人を超える観光客が台湾から訪れている。台湾人観光客にとっては日頃使っているカードを日本でもそのまま使えることで利便性が大きく向上する。

 川上頭取は「全国で悠遊カードを自由に使えるようにしたい。台湾観光客をさらに誘致することで、沖縄経済全体を下支えしていきたい」と話した。

 陳社長は、琉銀を提携相手に選んだ理由として「猛アタックがあった。既に5千の加盟店を有し、システム構築にかなりの額を投資する」と説明し、「両替やおつりの手間を省き、便利になることで旅行者が増えることを期待している」と話した。