新型肺炎で沖縄観光客50万人減少なら…観光収入、半年で281億円減 就業者1940人減も


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 南西地域産業活性化センター(NIAC、大嶺満会長)は19日、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染拡大による、県経済への影響について試算結果を発表した。感染拡大の影響が2月から7月ごろまで継続し、国内外から沖縄を訪れる観光客が仮に50万人減少した場合、観光収入は281億円減少すると試算した。

 NIACは2019年に沖縄を訪れた中国人観光客約75万人の4割程度に相当する30万人が、感染拡大の影響で沖縄旅行をキャンセルすると想定した。中国客だけでなく、他国の外国客や国内客にもキャンセルが発生した場合の減少数として、50万人を設定した。観光収入の減少で宿泊や飲食を中心に雇用調整が起こる可能性があり、就業者数は1940人減少すると試算した。

 仕入れ額などを除く名目GDPは、就業者減による個人消費の減少や成長率低下による設備投資の減少など、マイナスの波及効果も含めて196億円減少するとみている。実質GDPの成長率は0.2%低下し、税収は国税、地方税合計で38億円減少するという。

 国内客などは従来通り沖縄を訪れ、中国客のみが30万人減少した場合、観光収入は138億円、就業者数は940人それぞれ減少するとみている。

 中国人観光客は他国の外国客や国内客に比べて、空路客海路客ともに1人当たりの消費額が高く、減少すると観光収入への影響が大きい。NIACの金城毅上席研究員は「既に中国以外の外国客や国内客の一部が沖縄旅行を取りやめたケースが出ている。いつ終息するのか見通すことは難しいが、感染拡大が長引けば影響はさらに大きくなる」と指摘した。