防衛省、辺野古など3区の防音工事はしない方針 日常的な騒音あるのに


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県民投票から1年。名護市辺野古の新基地建設現場では、埋め立て用土砂の投入が続く

 【名護】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、政府は「対象になり得るほどの騒音は発生しない見込み」として辺野古区などでの住宅防音工事を移設後に実施しない方針だ。一方で地元はキャンプ・シュワブ内の既存ヘリパッド撤去などを求めているが、政府から具体策は示されていない。

 キャンプ・シュワブに隣接する辺野古・久志・豊原の久辺3区では、既存ヘリパッドでの米軍機離着陸に伴う騒音が日常的に発生している。沖縄防衛局によると、辺野古区では昨年4月から今年1月までに、走行中の自動車内に相当する60デシベル以上の騒音が計1304回測定されている。

 シュワブ内ヘリパッド撤去を求める声は根強く、岸本建男名護市長(当時)が1999年に辺野古移設を容認した際にも条件の一つに掲げていた。新基地建設への立場を明言しない渡具知武豊現市長も撤去を求めている。一方で、沖縄防衛局は「普天間飛行場移設事業の実施に合わせてヘリパッドを移設する計画はない」としており、実現の見通しは立っていない。

 国は防音工事が必要な騒音は生じないと説明しているが、地元住民は移設後の騒音被害は見通せずにいる。久辺3区の元役員は「防音工事よりも、騒音自体をなくしてほしいということが地元の要求だ」と強調した。