「ばか」「臭い」「黒い」… 外国人労働者に浴びせられた差別的な言葉の数々 見下され理不尽さがにじむ日本での生活とは


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 300人を超える外国人労働者を対象にした全国12地方紙の協働調査では、日本での生活で「言われて嫌だった言葉」も尋ねた。最も多かったのは「ばか」で22人。「臭い」「黒い」といった差別的な言葉に傷ついたという告白もあった。日本語が流ちょうに話せないだけで見下される理不尽さがにじむ。

 ベトナムから来日して3年9カ月の男性(25)=埼玉県=は内装工事で「何やっているんだ。ばかやろう」と怒られた。「みんな日本人より外国人に対して怒りやすい」と訴える。

 沖縄県に滞在して2年半というタイ出身の飲食店従業員女性(44)は「(日本語は)話せないが、聞くことはできる。客に早口で話され、見下した対応をされると悲しく、悔しい」と回答した。

 「外国人」としてひとくくりにされる言動への違和感も目立った。京都市で自動車部品製造業に就く男性(29)は「さすがタイ人」と言われ、個人として認められていないように感じた。福岡市の男性(26)は「韓国の道はニンニク臭い?」と聞かれた。スペイン語を話す同市の男性(28)は、英語で話しかけられることに抵抗感を覚えると答えた。

 受け止めが分かれたのが「すごい」。ベトナム出身の北海道の女性(25)は「心から思っていないのに」と否定的。東京都品川区のベトナム国籍の女性(19)も「最初はうれしかったが、日本人には本音と建前があるので、本当かどうかは分からない」と語った。

 一方で半数以上の177人は、嫌だった言葉が「ない」、あるいは具体的な言葉を挙げなかった。言われてうれしかった言葉で多かったのが「こんにちは」「ありがとう」「お疲れさま」。中国から来たさいたま市の女性は(25)は「あなたがいれば安心」という言葉が心に響いたという。
 (西日本新聞社提供)