「米軍は県民の命を軽視」 物資落下で読谷、読谷から怒りの声


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 読谷村沖で25日に鉄製の物体を海に落としたCH53E大型輸送ヘリコプターの同型機は同日午後10時前まで、宜野湾市の米軍普天間飛行場でタッチアンドゴーなどの訓練を繰り返した。過去に落下事故で犠牲者が出た読谷村や、近年落下事故が相次ぐ宜野湾市に住む人々は「命が軽んじられている」などと怒りの声を上げた。

 読谷村議会の伊波篤議長は、議会でつり下げ訓練をしないよう繰り返し求めてきたことを挙げて「トリイ通信施設を使った訓練が恒常化しては困る」と語る。「事実なら看過できない。(訓練を続ければ)不測の事態が起きるのは経験則から明らかだ」と憤った。

 2017年12月にCH53Eヘリの部品が落下した宜野湾市の緑ヶ丘保育園。保護者らでつくる「チーム緑ヶ丘1207」書記で、普天間飛行場北側の同市新城に住む与那城千恵美さん(47)は落下の一報にあぜんとした。「訓練を優先し、県民の命を軽んじている。とても不安だ。読谷では過去に死亡事故も起きており、怖い」と述べた。

 読谷村在住の50代男性は「またか」とため息をついた。これまでにも米軍が訓練中に物資を落下させる事故が起きており、「(落下場所が)洋上だったから許されるという問題ではない」と述べ、改めてトリイ通信施設は訓練目的で使用してはならないと訴えた。