新型コロナウイルス、万国津梁会議に質疑集中 沖縄県議会代表・一般質問を振り返る


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 県議会2月定例会は2日、代表・一般質問を終えた。県内でも感染発生が確認された新型コロナウイルスや首里城再建、玉城デニー知事の目玉政策である「万国津梁(しんりょう)会議」などについて質疑が集中した。

 玉城知事は2月28日の一般質問が始まる冒頭、新型コロナウイルスに関して新里米吉議長に発言の許可を求め「全庁を挙げて新型コロナウイルス感染症対策に全力を尽くす」と強調するなど異例の対応となった。

 県内のPCR検査(遺伝子による検査法)態勢については、砂川靖保健医療部長が「県の衛生環境研究所に機械が2台あり、1日当たり36検体は検査可能だ」と説明した。質問した仲田弘毅氏(沖縄・自民)は「救うことができる命を救えるよう頑張ってほしい」と激励した。

 首里城火災で管理者として県の責任を問われ、上原国定土木建築部長は「第三者委員会でしっかり検証していく。出火原因を特定されていないという状況なので明確に現時点で責任の取り方については差し控える」と述べるにとどめた。當間盛夫氏(無所属の会)への答弁。

 万国津梁会議を巡っては、これまで共同事業体と2019年5月に業務委託契約を締結した際に盛り込まれた「概算払い」項目で、「委託事業の進捗(しんちょく)度合いに応じて業務委託料の10分の9に相当する額」との支払い規定に反し、進捗に関する確認書などの文書がないことを野党が追及した。

 これに対し新垣健一文化観光スポーツ部長は同事業について「準委任契約だ」と説明。準委任契約は県財務規則に確認にかかる条項は一般的に付されていないとして、県の対応に問題がなかったとの認識を示した。9月定例会から野党のやり玉に挙がっている知事の看板政策について追及をかわすため理屈を整えた形だ。

 新型コロナウイルスや万国津梁会議支援業務に関する県の対応などに時間が割かれたこともあり、次期沖縄振興計画や教育、子育てなど県の重要課題については議論が深まらなかった。(松堂秀樹)