並ぶ「欠航」の文字 中国・韓国路線全て運休 新型コロナの影響 貨物便の一部も


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海外路線の欠航が相次ぎ、ほとんど人がいない那覇空港国際線ターミナル=9日

 新型コロナウイルス感染症対策で、香港を含む中国と韓国からの入国制限の強化が実施された9日、那覇空港国際線旅客ターミナルの時刻表は「欠航」の表示が並び、人影はほとんどなかった。貨物便は到着地変更の対象となっていないものの、那覇空港を拠点とした全日本空輸(ANA)の貨物便は国際貨物の需要減少を受け、一部路線が2月から運休している。

 中国と韓国からの旅客便の到着を成田と関西国際空港に絞る措置を政府が各航空会社に要請したことを受け、県内の同路線も全て運休となった。日本政府の規制方針の前から既に3月中の欠航を決めていた会社もあるが、アシアナ航空のソウル―那覇、香港エクスプレスの香港―那覇が9日から運休となった。

 国際線で便数が最も多い台湾路線は継続しているものの、昨年3月の週86便と比べて約半分の42便まで減っている。シンガポールが週5便、クアラルンプール(マレーシア)が週2便で運航している。

 9日時点で運航している沖縄発着の国際線は週49便となり、昨年2月の230便の約4分の1以下に縮小している。県文化観光スポーツ部の玉城勝也誘致企画班長は「今も沖縄に就航したい海外の航空会社はあり、沖縄のポテンシャル自体が変わるわけではない。今は厳しい状況だが、終息次第、県としても回復に向けて取り組む」と話した。

 那覇空港を発着する貨物便を運航するANAカーゴによると、2月9日まで那覇空港から週70便を運航していたが、2月10日以降は上海と関西路線の計20便を運休している。

 那覇―関西はもともと今月29日から運休の予定だったのが前倒しとなり、那覇―上海は需要の減少から運休となった。ANAカーゴの担当者は「那覇―上海は29日から復旧する可能性もあるが、今後の調整が必要。コロナウイルスの影響次第で運休の状況も変わってくると思う」と説明した。