人気牛「安福久」とは 高値で精液が取引されるわけとは…


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 希少価値の高い種雄牛「安福久(やすふくひさ)」の血統牛として久米島町で出荷された子牛の一部が、DNA鑑定の結果、安福久の血統とは違う子牛だったことが11日、琉球新報の取材で分かった。一部の人工授精師が規定に反する種付け方法を行い、血統の異なる牛が生まれていたにもかかわらず、安福久として出荷していた。サシ(霜降り)入りや肉質の良さから、高値で取引されている安福久とは。

 鹿児島県の民間企業である徳重和牛人工授精所の供用種雄牛。サシ(霜降り)の入りや肉質改良能力が高いことから、安福久の血統を持つ子牛は全国的にも高値で取引される。既に本牛は死んでおり、同社では安福久の精液を販売していない。優秀な血統のため全国の家畜人工授精師の間で転売され、1回の受精に必要な精液の価格は上昇している。沖縄県が所有する県供用種雄牛「富士久」の父としても知られる。